越境(えっきょう)

越境とは?不動産でよくある境界トラブルを徹底解説

不動産の売買や管理をする際に、意外と見落とされがちなのが「越境(えっきょう)」です。隣接する土地や建物との間に明確な境界が引かれていない、あるいは建物や樹木が敷地外にはみ出している場合、それは越境問題に該当する可能性があります。越境の意味、発生するリスク、対処方法、そしてTRUSTARTが提供する解決手段までを詳しくご紹介します。

不動産における「越境」とは?

越境とは、建物や構造物、樹木の枝・根などが隣地の敷地を越えてしまっている状態を指します。例えば、以下のようなケースが該当します。

  • 屋根の庇(ひさし)が隣地の上空に突き出している
  • ブロック塀の一部が隣地に侵入している
  • 樹木の枝が隣の敷地に伸びている
  • 建物の基礎や排水管が隣地に埋設されている

このような越境は、土地や建物の評価に影響するだけでなく、法的なトラブルにも発展する可能性があります。

越境が引き起こす主なトラブル

越境状態が放置されていると、以下のような問題が発生する恐れがあります

  • 売買時の価格交渉や契約不成立
  • 隣地所有者との紛争
  • 建て替え時の制限や行政指導
  • 登記手続きの遅延

また、民法では越境枝と越境根について異なる扱いをしています。例えば、越境してきた樹木の枝は無断で切れませんが、根は切ることが認められています(民法第233条)。

越境のある土地は売却できる?

越境があるからといって必ずしも売却できないわけではありません。ただし、買主にとってはリスクとなるため、以下の点に注意が必要です。

  • 越境使用承諾書の有無:隣地所有者から文書で承諾を得ているか
  • 境界確定測量の実施状況:明確な境界が確定しているか
  • 売買契約での説明責任:瑕疵(かし)として認識し、事前に説明する必要があります

越境使用承諾書とは?

越境使用承諾書とは、越境している物について、隣地の所有者がその状態を了承していることを証明する文書です。不動産の売買や融資を受ける際に、以下のような役割を果たします。

  • 越境に関するトラブルを未然に防ぐ
  • 買主への安心材料となる
  • 金融機関の融資審査にも影響を与える

書面には、対象物・位置・面積・期間・撤去条件などを明記するのが一般的です。

越境を防ぐ・解決するには?

不動産を巡る越境問題を回避・解決するためには、以下のような対応が効果的です。

  • 境界確定測量の実施:土地家屋調査士を通じて境界線を明示
  • 隣地との合意形成:書面での承諾を取得
  • 定期的な樹木管理:枝・根の越境を防止
  • 建築時の設計配慮:屋根や基礎が越境しないよう配慮

TRUSTARTのサービスで越境リスクに備える

TRUSTARTでは、不動産データを活用し、越境に関わる課題を解決するためのサービスをご提供しています。

R.E.SEARCH:登記情報から越境リスクを可視化

オンラインで不動産の登記情報を取得できる「R.E.SEARCH」を使えば、土地の権利関係や面積、隣接状況などを迅速に把握することができます。これにより、潜在的な越境リスクを早期に認識し、対応策を講じることが可能です。

R.E.DATA :越境リスクのある物件をターゲティング

不動産オーナー情報を活用したマーケティング支援ツール「R.E.DATA Plus」では、過去の登記データや相続履歴などから、越境リスクのある物件の抽出が可能です。買取再販業者や仲介会社がリスクを最小限に抑えた営業戦略を構築する際に有効です。

まとめ:越境問題は放置せず、早めの対策を

越境は小さな問題に見えても、放置すれば大きなトラブルに発展する可能性があります。特に不動産売買や相続の場面では、思わぬ損失を招くこともあります。TRUSTARTの各種サービスを活用することで、越境リスクを事前に把握し、適切な対処を講じることができます。正確な情報と合意形成が、安心・安全な不動産取引の第一歩です。