【不動産ビッグデータこぼれ話】売買登記は金曜・月末に集中 -登記原因別の申請傾向-
TRUSTARTの保有する不動産ビッグデータから見えてきた、小さな発見や気になる傾向を「不動産ビッグデータこぼれ話」としてご紹介しています。
今回は、2024年内の各月・日について、登記原因ごとの申請数の傾向を見ていきます。
所有権移転売買登記
まず、所有権移転売買登記について見てみます。
図1は2024年の1月から12月までの各月について、月初から月末までの日別の登記申請数を示しています。申請のない土日や祝日には申請がゼロになっています。
全体的に月初の申請は少なめで、月末の申請が多く、それぞれの週でみると金曜の申請が多くなっています。

図1: 2024年の所有権移転売買登記申請数
月末、特に3月末が多いことから、不動産事業者や金融機関の月間や年度の売上目標に間に合うように契約や取引が行われている傾向がありそうです。また、月末に物件を引き渡すデベロッパーも多いとのことです。
売買登記と似通った傾向の登記原因
売買登記と似通った傾向を示す登記原因として抵当権の設定登記がありました (図2)。図1の売買登記と似通った傾向を示しています。

図2: 2024年の抵当権設定登記申請数
また、これ以外にも「根抵当権の設定」、「抹消登記」、「登記名義人の氏名等についての変更・更正」について類似した傾向が見られました。
これらは売買と同時に行われることも多い登記原因であるため、売買と傾向が類似していると考えられます。
相続登記
次に、相続登記について見てみます (図3)。
相続登記は週の初めに行われることが多いようで、売買登記などとは傾向が異なっています。週末に相続登記の準備ができた人が週明けに申請していることが多いのではないかと考えられます。

図3: 2024年の相続登記申請数
滅失登記
続いて、滅失登記について見てみます。滅失登記も週の初めに多くなっており、相続登記と似ていますが、週の初めに多い傾向がより顕著に見えます。こちらも、建物の取り壊しが完了し、滅失証明を週末に準備できた人が週明けに申請しているのではないかと考えられます。

図4: 2024年の滅失登記申請数
おわりに
今回は、登記原因による月、日の申請数の傾向の違いについてご紹介しました。
不動産ビッグデータのビジネスへの活用にご関心がありましたら、ぜひこちらのフォームより会社案内資料をご請求ください。
不動産ビックデータを調査した内容をまとめた不動産ビックデータレポートも無料で公開しておりますので、ぜひご覧ください。