大相続時代が生む「不動産資産の大移動」――地方から都市へ年2兆円(TRUSTART調べ)

高齢化の進展に伴って相続件数は年々増加し、「大相続時代」という言葉をよく目にするようになってきました。
本コラムでは、TRUSTARTが保有する不動産ビッグデータを活用し、相続登記が申請された土地の所有権が地域間でどのように移動したのかを分析しました
ここでは、相続が発生した土地の所有権が地域間でどのように移動したのか、その流出入の規模を推計した結果をご紹介します。

相続不動産の所有権の地域間移動

2024年に相続登記が申請された土地のうち、県外在住者が所有している土地を対象とし、TRUSTARTの不動産ビッグデータを活用し、その資産規模の推計を試みました。

都道府県単位での移転を図に示します。相続された不動産の所在地をオレンジ色、所有者の住所を青色で示し、土地の地積と公示価格から求めた概算価格から流出入の規模を推計します。オレンジ色から青色に土地の所有権が移転していると見なすことができます。

一都三県(東京・神奈川・千葉・埼玉)を筆頭に、大阪、名古屋、福岡といった主要都市圏へ資産が吸い寄せられる「一極集中」の構造が見て取れます

各都道府県の相続土地資産の流出入の推計額

※TRUSTARTの保有するデータに基づいた推計値です。実際の値とは相違する可能性があります。

都道府県単位での流出入の推計額を示します。首都圏一都三県や大阪、兵庫などの都市部では流入額が超過しています。
異なる都道府県への移動は年間約5.4兆円、そのうち、約2兆円が地方から首都圏や大阪、愛知などの都市圏に移動すると推計しています。
また、東京都は全国で最大の流入額を記録する一方で、他県への流出額も最も多くなっています。

各都道府県単位での流出入の推計額

次に、「不動産の所在地(縦軸)」と「所有者の住所(横軸)」の関係から、相続に伴う資産(土地)の移転状況を可視化しました。

※TRUSTARTの保有するデータに基づいた推計値です。実際の値とは相違する可能性があります。

資産の集中傾向

図の中で目立つのは、縦軸の東京を中心とした一都三県のラインです。ほとんどの都道府県(縦軸)において、所有者の住所が一都三県である部分が明るい赤〜オレンジ色になっています。
これは、これまでにも見たように、地方の土地を相続した人が東京に住んでいるケースが多く、地方の資産が実質的に首都圏へ流出していることを示しています。
また、首都圏以外にも大阪、兵庫や愛知、福岡といった都市部にも集中していることがわかります。

隣接県同士の強い相関

対角線(同一都道府県内での相続)が最も明るく、地元居住者による所有がもっとも多くなっている他に、対角線の周りにも比較的明るいブロックが見られます。首都圏や近畿圏など、隣接する県での居住が多くなっており、これは就職や結婚等による近距離の転居に伴う相続の結果と考えられます。

おわりに

今回は、TRUSTARTの保有する不動産ビッグデータを通じて、地方から都市部へ相続資産が流出する状況をご紹介しました。
地方から都市圏への資産流出は、人口動態に根ざした構造的課題と言えます 。しかし、「不動産という現物資産」は、その地域から動くことなくそこに存在し続けるため、この「動かない資産」をどう活かすかが、今後の地域活性化の鍵となりそうです。

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